ジョルジュ・パラントにかんする雑記帖

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 Dominique Depenne の論文、 « Georges Palante contre Emile Durkheim » (Philippe Corcuff ほか編、L'individu aujourd'hui, Presses universitaires de Rennes, 2010 所収) を読んだ。
 れいによって、いくつもの発見があった。
 まず、アノミー anomie という概念が、デュルケムとちがって、パラントにおいては決定論をはなれ、自由な可能性を開放することとして肯定的にもちいられているということ。
 そして、それと関連して、その可能性に対する想像力の問題としてボヴァリスム Bovarysme が論じられているということだ。これまで、わたしにとってはボヴァリスムは難解で、正直にいって、パラントの思想のなかでの意義がわかっていなかったが、この論文をよんで、いくらか理解できたような気がする。
 また、しばしば1898年の論文「個人主義と知識人」を根拠としてデュルケムが « 個人 » の擁護者であるかのようなことがいわれるが、ドゥペンヌはそのそのような説は「誤った名ざし」(abus de langage)であるとして一刀両断しており、ながねんわたしが疑問に思っていたことに対して胸がすくような解決があたえられた気がした。
 来年は、専門外にもかかわらず、パラントにかんする論文の一本でも書きたいと思っている。